今シーズンは開幕戦を勝って絶好のスタートを切った三塚優子。将来的にはアメリカ挑戦も視野に入れているだけに、シーズン前半で賞金ランキングの上位を確保できれば、アメリカのツアー出場権を得るためのクォリファイングトーナメント(QT)を受けるスケジュールなどが楽になってくる。このまま一気にスタートダッシュを決めたいところだ。
昨年の大会ではよもやの予選落ち。しかし、「コースとは相性はいい。むしろ向いている」と自信を見せる。というのは、プロ転向したばかりの新人だった2006年にこのコースで行われた日本のファイナルQTで5位に入っているからだ。ここで得たツアー出場権で翌年日本ツアーにフル参戦し、その年秋ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンでは、早くも初勝利をあげた。それから昨年も1勝を挙げる活躍で、着実にステップアップしてきた。いわば本人にとっては、現在の自分がスタートラインをきった思い出のコースでもある。
警戒するのは「風」だ。「ここは必ず風が吹く」だけに、昨年も多くの選手がスコアメイクに悩まされた。その中で飛距離が出ることを武器に、いかにボールコントロールが出来るかがコース攻略の鍵となる。「新しいクラブも慣れてきたので、状態はすごくいいです」と 今季2勝目に意欲満々だ。
藤野オリエにとって、この大会が今季初戦となる。この葛城ゴルフ倶楽部で研修生生活を送り、プロになり、今もコースが所属先である彼女にとって、このコースを知り尽くしていると言っていい。それだけにこの大会に対する思い入れは人一倍ある。
昨年から男子の芹澤信雄プロの合宿に参加し、今年も2月から3月の間に藤田寛之プロを含む「チーム芹澤」と4、5回葛城ゴルフ倶楽部での合宿に参加した。「やはり見ているだけでもスイングのバランスとか勉強になりました」
普段は男子プロと一緒に回ることがあまりないので、いい刺激になったようだ。
昨年は賞金ランキング66位で今年のシード権(52位まで)に届かず、ツアー出場権をかけたクォリファイングトーナメント(QT)もサードQTで落ちてしまい、ファイナルQTまで進めなかった。今年は出場する試合も推薦などで出られる数試合に限られる。出場できる1試合1試合が大事になる。3位以内に入れば、次の試合にも出られるため、3位以内が最低目標となる。
昨年より「セッティングが少し易しくなった」とはいえ、「風は絶対吹くので」スコアも天候次第となる。コースを知る彼女だけに「風が吹いたほうが私にはチャンスなので、風は吹いて欲しい。パープレーならかなりいいところにいける」と地の利を生かして、応援してくれる大勢の人に恩返しをしたいところだ。彼女にとっての“神風”が果たして吹くか。